芥川賞評
2009年 02月 27日
「ポストライムの舟」 津村記久子
読んでるだけで息苦しくなるような、
気が滅入って、ずんと落ちていくような感覚になるものの
「私」のどこか滑稽にさえ映る必死さが意地らしくもかわらしくもあり
ぎりぎりのところをうまいバランスで保っている。
そこには「私」たちが口にする関西弁の威力が大きい。
全然たいしたことじゃないかのような、
力強いような、気が抜けるような関西弁の不思議。
工場での単純作業のくり返しの中で
「私」がいちど考え始めると抜け出せなくなる思考の行先がおもしろい。
昼も夜も土日も働いて、家では内職をする「私」が
仕事に対するモチベーションを維持するために
腕に「今がいちばんの働き盛り」と刺青入れたいと考え始めたら止まらなくなる感じ、
しかもゴシック体がいいとか考えてる感じ、
息苦しさを覚えつつ、笑えます。
ここ最近の芥川賞作家で
「おもしろい小説」 を書く人はなかなかいないけれど(絲山秋子くらいじゃないの?)
津村さんは
これからきっとおもしろい小説を書く人だろうと思う。
読んでるだけで息苦しくなるような、
気が滅入って、ずんと落ちていくような感覚になるものの
「私」のどこか滑稽にさえ映る必死さが意地らしくもかわらしくもあり
ぎりぎりのところをうまいバランスで保っている。
そこには「私」たちが口にする関西弁の威力が大きい。
全然たいしたことじゃないかのような、
力強いような、気が抜けるような関西弁の不思議。
工場での単純作業のくり返しの中で
「私」がいちど考え始めると抜け出せなくなる思考の行先がおもしろい。
昼も夜も土日も働いて、家では内職をする「私」が
仕事に対するモチベーションを維持するために
腕に「今がいちばんの働き盛り」と刺青入れたいと考え始めたら止まらなくなる感じ、
しかもゴシック体がいいとか考えてる感じ、
息苦しさを覚えつつ、笑えます。
ここ最近の芥川賞作家で
「おもしろい小説」 を書く人はなかなかいないけれど(絲山秋子くらいじゃないの?)
津村さんは
これからきっとおもしろい小説を書く人だろうと思う。
by hammsamm
| 2009-02-27 16:13
| 本