平凡な日常の中で思うこと


by hammsamm
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カテゴリ:本( 92 )

とにかくうちに帰ります

とにかくうちに帰ります 津村記久子

もうタイトルからしていいでしょ
嵐の夜
バスも電車も止まってしまった嵐の夜
それでもうちに帰りたい
なにがなんでも帰りたい

「給料も今のままでいいし、彼女もできなくていいから、部屋でくつろぎたいんです!」
「べつに愛は欲しくないから、家に帰りたい」
「うちに帰りたい。切ないぐらいに、恋をするように、うちに帰りたい」
「おれも帰りたいです。自分と周囲の人たちの健康を願うように、うちに帰りたい」

あの夜を思い出す
地震ですべての交通機関がマヒして
家にたどり着いたのは深夜3時頃だった
部屋の中はめちゃくちゃで
はーちゃんは声も出せずに震えていて
テレビを点けたら想像以上の被害が東北を襲っていて
恐怖と安堵と
あったかい部屋で眠れる幸せと震えながら救助を待つ被災者と
いろんな感情がごっちゃになってただただ泣いたあの夜

わたしもあのとき思ったんだよね
お金なんかなくても屋根と壁のある場所で安心して眠ることができる
このなんてことない幸せがどれだけ奇跡か
その奇跡にあんなに感謝していたのに

あーーー宝くじ当ててーーーー
そんでもう一生働きたくない

って今は思ってます

中短編集の「職場の作法」は何度もふきだしながら読みました
ほらほら、ね、津村さん絶対おもしろい小説書くって思ってたわ


少し前に読んだ、柴崎友香「わたしがいなかった街で」
この余韻をまだ引きずっている

引きずったまま沖縄戦のドキュメンタリー2本を観て
頭がグラグラした

あとでまた感想かく
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by hammsamm | 2013-02-08 17:34 | | Comments(0)

読んだ

幸福な日々があります 朝倉かすみ

結婚して10年
別れたい妻と別れたくない夫
あんなに愛し合っていたのに、あんなに仲良しだったのに
妻の別れたい理由とは・・・

夫として好きじゃなくなった
一緒に住むほど好きじゃなくなった

って
もんすごい正論だと思うの
好きじゃなくなったから別れましょうよ
って
ある意味誠実だとも思うけど
これが結婚前のカップルだったらありえても
結婚10年の夫婦の間では
「理由にならない理由」
「そんなわがまま許されない」
とされてしまうもんなんだねえ
(ちなみに子供はいません)

大好きな人に自分からプロポーズしてはじまった結婚生活
わたしはいま幸せだと実感できる甘い甘いふたりの生活

10年前と現在を交互に織り交ぜながら進められるストーリーが
なんともせつないようなおかしいような

幸福な日々があります
あったんじゃなくてあるんです
昔も今も過去も未来も
幸福な日々はそこにある




わたしがいなかった街で  柴崎友香

あらすじやテーマみたいなものを
どうしても説明できないので
こちらとかこちらをどうぞ

どの書評を読んでもわたしが感じたこととはなにか違う
だけど、わたしの感じた気持ちを文字にすることができません

書こうと思えばとめどなく書けます
文章ひとつひとつ引用して、そのとき私が思ったこと感じたこと
それやったらほんとにとめどない

読んでよかった
本当に読んでよかった
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by hammsamm | 2013-01-25 16:17 | | Comments(0)

屍者の帝国

屍者の帝国  伊藤計劃×円城塔

プロローグ部だけを残し早逝した伊藤計劃の未完の遺作を
円城塔が引き継いで完成させた作品

とっても視覚的な活字
読んでてアニメを観ているような気に何度もなった
漫画でもドラマでもなくてアニメだなー

屍者というのは、まあ、フランケンシュタインみたいなもんです
一度死んだ人間、魂の宿らない人間、心も感情も持たない人間だった入れ物

フランケンシュタイン(は本来怪物の生みの親である博士の名前だけど)や
ヴァン・ヘルシングが世界各国を飛び回り
諜報機関や秘密結社や宗教団体入り乱れての逃走劇と騙し合い
誰もが知ってるキャラクターが思いもよらぬ駒になって動いてる

フランケンなんてありゃもう神だ
ナウシカの巨神兵を思い出したよ(漫画版)

フランケンシュタインやドラキュラやもしかしたらカラマーゾフの兄弟なんかも
原典を知っていればもっとおもしろく読めるのかもしれないけど
まあ知らんでもじゅーぶん楽しめるエンタメ大作だと思います

途中、哲学的というか禅問答のような小難しく感じるとこもあったけど
勢いですっとばすように読んじゃえばなんてことないです
(それ読んでないんじゃ・・・とか言わないように)


主人公とその従者である屍者との別れの場面
魂も心もない
痛みも苦しみも喜びも悲しみも感じない
ただ遠くに目線を定めたままゆらゆらと体を動かしているだけの屍者との別れ
なんとも言えない悲しさとやるせなさが残るんだけど

・・・だけど(以下ちょっとネタバレ)

エピローグでその主人公が、
あ!あの人だったのか!と初めて気づいたのでした!(有名なキャラです)
おそい!
好きな人はたぶん冒頭で登場してきてすぐにわかったんでしょうねー(経歴とかでね)
その仕掛けにニヤニヤしつつ
最後の最後、ラスト1ページが
これはすっごい好みがわかれるだろーなーと思う
私はじーんと目頭が熱くなってしまったんだけど
でも、でも、そこいらないんじゃね?と思ってしまった私もいるのでした

読み始めてすぐに
ロボトミー手術施した人間で兵士を大量に生産するってアニメ思い出したんだけど
これなんだっけ?
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by hammsamm | 2013-01-23 15:10 | | Comments(0)

世界は滅びなかった

あけましておめでとう

無事に新年あけたねー
ノストラダムスもマヤ歴もはずれたねー
終末論者は次の標準いつにもってきてるんでしょうか

さてさて

年賀状くれた人にすら出さなくなって十数年
年々届くはがきは減っていき
とうとう今年は2枚になりました
お年玉年賀はがき当たってるといいなー(貪欲)
一等の旅行がいいなー(限りなく貪欲)
あーでも二等の高級食材でもいいよー(少し謙虚)
高級食材って響きがいいね
紅茶とカステラで高級食材
いいね、貧乏人ぽい発想で、好きよ



読んだ本

予定日はジミー・ペイジ  角田光代

子供ができたことを知ってもちっとも嬉しくない
「おめでとうございます」と言われて
「めでたいですか?」と返してしまうような主婦が出産するまで
旦那さんがとってもかわいい
ぼくだって妊娠したいよーおなかに赤ちゃん入れたいよーずるいよー
って思ってるんだよ

そのせいだと思うけど

父親が出産する夢を見た



SOSの猿  伊坂幸太郎

夢のおはなし
悪魔払いのおはなし
原因と結果のおはなし
正義のおはなし
西遊記のおはなし

初期作品の勢いはないけど(読んでるこっちが慣れちゃってるのかも)
やっぱりおもしろいなー
一気読み


悪の経典  貴志祐介

どんな人間の中にもある悪魔の部分
あれ?・・・ってのはSOSの猿に出てきたんだっけな
んー、こちらの主人公は怪物ですね
感情をまったく持たない怪物
これでもかってくらいたくさん人が死にます
しかし登場人物の名前が全然覚えられなくて
読んでてすっごい疲れた
誰だっけこれ、どんな役割の人だっけ、っていちいちいちいちいちいちもーーーー
だからエピローグにいたっては
誰だおまえ感に包まれてさっっぱり意味がわかりませんでした

殺し方が残酷でグロテスクだったりするけど
殺人鬼があまりにも人間離れしすぎててSF小説のようでしたわ
同作家の

黒い家

の方がずっとずっとずーーーーと恐怖
非現実でありながら生々しいリアリティあって
一番こわいのはお化けでも幽霊でもなくて人間よね
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by hammsamm | 2013-01-08 16:03 | | Comments(0)

師走だ

もう12月もずいぶん過ぎちゃった

読んだ本



死ねばいいのに 京極夏彦

ね、ほんと、死ねばいいのに



ハル、ハル、ハル  古川日出男

みっつのおはなし
犯罪の告白でもあり、愛の告白でもあり
これを読んでいるあなた、そう、あなたのために書く日記



ラットマン  道尾秀介

ふうん
昔書いたのってみんなこんな感じなのかしら
向日葵・・・もそうだったけど
どんでん返しで読者驚かせたくてしょうがないみたい
長年の友人を、愛する男を、愛する女を、妻を、母親を、
身近の親しい人達を殺人犯だと疑いすぎたろこいつら
袖口に血がついてたからって(まだ事件も事故も起きてないのに)人を殺してきたな
なんておもわねーーーーーーーーっつの
あまりにも心理描写が浅すぎる・・・つか無理ありすぎ



クラウドスターを愛する方法 窪美澄

家族のおはなし
家族ってめんどくさい
めんどくさいけど家族

んーでもあんまりすこーんとはまらなかった
前2作が好きすぎて


とうへんぼくで、ばかったれ  朝倉かすみ

かわいいかわいいストーカー小説
誰がばかったれなのか
出てくる人たち全員ばかったれ
愛すべきばかったれ
少女から大人の女に変わっていく吉田と前田がこそばゆくてもどかしくていい
なんと言ってもふたりの会話のリズムがおかしくて心地よい
いやでもまさか前田が不倫するとはねえ・・・


あとは・・・ちょっと思い出せない
本のタイトルはうろ覚えのもあってまちがってたらごめんなさい
本の内容もなにかとなにかがごっちゃになることもよくあって
読みながらすでに混乱してる

フィクションの物語と妄想と夢と
ほんとうじゃない虚構の世界がとってもリアルに感じてしまって
どっちかというと現実世界の方がふわふわぼやぼやしています



師走の喧騒はやっぱり苦手だ
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by hammsamm | 2012-12-11 17:09 | | Comments(0)

濡れた太陽

またまた高校が舞台の青春小説

濡れた太陽 高校演劇の話  前田司郎

(高校演劇の話)ってサブタイトルはいらないと思うんだけど
と、タイトルにケチをつける元芥川賞選考委員石原慎太郎気分で

なんでしょう
濡れた太陽 だけだと官能小説と間違う人がいるからですかね
いないですかねそうですか

最近たて続けに読んだ桐島とあの子は高校生特有の絶対的なヒエラルキーをうまく描いてた

おしゃれ、ルックスがいい

スポーツが得意、おもしろい

勉強ができる

上へならえの没個性

オタク


このグループわけの線引きもわりとしっかりできていて
上位グループと下位グループの交流てほとんどないんだけど
そこが交わったときのおもしろさってのがきちんと描かれてた

その最たるものが「濡れた太陽」で
本来なら高校生活を底辺で生きているはずの太陽(主人公の名前なのでした)が
グループの線引き飛び越えて先輩至上主義の縦社会も飛び越えて
すっごい生き生きやりたい放題してるのが気持ちいい!
登場人物がみんないい子なんだよなあ
それも泣ける

女子の自意識が表に出てくるお話はたくさんあるけど
男子の自意識っておもしろいなあ
バカでくだらなくてかわいい

公演前の不安と緊張と喜びと興奮とが交りあって泣きそうになる感じ
そのドキドキがこっちまで伝わって何度も泣きそうになって
最後は引退していく先輩の言葉でぶわっと涙出てしまった
読みながら青春


一生懸命なにかに打ち込むことが
うんと頑張って努力することが
どこかかっこわるいと思っていた高校生時代
今思い出しても最高に楽しい瞬間だったけど

できることならもう一度高校生をやり直して
何かに対して一生懸命になりたいなあと思った
夢中になりたいぜ
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by hammsamm | 2012-10-23 17:42 | | Comments(0)

その街の今は

その街の今は  柴崎友香

どろどろの恋愛事情があるわけでもなく
複雑な過去や環境があるわけでもなく
日々の日常を描いた作品でおもしろいのはたくさんあるけれど
これは、いままで読んだことないような
すごく言葉にするのが難しい
説明はできないけど好きです

女友達との会話や距離感に好感もてる
28歳彼氏なしのフリーターを
定番の(仕事も恋愛もうまくいかず焦って空回りするアラサー)として描いてないのがいい

「好きになるタイプとうまくいくタイプは違う」
「合いそうとかいい人そうってことで好きになれるなら苦労しない」

女子同士でケーキやお好み焼きつつきながら語る会話がリアルで楽しい

「いい人そう」
このなんとも無責任な台詞はわたしもよく使ってしまう

いいじゃん、いい人そうじゃん、つきあってみればいいのにー

いい人そう
本当にいい人かどうかは知らんけど
猟奇殺人の犯人も近所のおばさんに「いい人そうだった」と言われますし

そして、たとえ本当にいい人だったとしても
「いい人じゃん」
(顔は不細工だけど)
(お金なさそうだけど)
(魅力的ではないけど)
(ださいし臭いけど)
(私ならつきあわないけど)

()の中はいろいろです

話がだいぶそれました

この小説の終わり方がとても好き
とてもとても好きです


※メモ的追伸
これ読むきっかけになった「新潮9月号」に掲載されてた
ミランダ・ジュライの短編がやっぱり最高にかわいくてせつなくて素敵だったのと
木下古栗という初見の作家の衝撃がすごかった
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by hammsamm | 2012-09-26 15:41 | | Comments(0)

共学と女子高

私、ロングブレスやめたってよ

他人事のようにさらりと報告

この件に関してはあまり語りたくありません
しいて言うなら

呼吸すらめんど



桐島、部活やめるってよ   朝井リョウ

「明日へ伸びていく飛行機雲」なんて比喩が
まったくいやらしくも恥ずかしくも感じない瑞々しさ

ひとつの出来事が数人の視点で語られる「藪の中」方式も
妙に新鮮に感じてしまう

私は青春小説が大好きなんだけど
10代のほんの一瞬の輝きと勢いと戸惑いと自信と不安と
まいにち楽しいとまいにち辛いと泣きたいと笑いたいと
みんなと一緒がいやとみんなと一緒じゃなきゃいやと
一所懸命とめんどくさいと好きと嫌いと・・・・・

混沌とした矛盾が濃密なあの瞬間が
もうぜーーーーったい自分は戻りたくないけれど
ああでも愛おしいあの時間が

そのまんまに
よくわかんねーよあーーーーってままに再現されてる

って思ったら
著者1989年生まれですってよ!奥さん!
ほんとにこないだまで高校生だったのか・・・

ただ一点、著者の認識に間違いがあります

女子がクラスメイトの男子を不思議に思う場面

 なんで男子って、二限目か三限目かの休み時間で弁当全部食べちゃうんだろ。 
 そんなにお腹すくものなんかな。

つい最近まで男子高校生だった著者は
いっつも女子ってこんな風に思ってたんだろうなあって想像か
もしくはクラスメイトの女子に実際にこんな風に言われたかだと思うんだけど

女子高では二限目おわりで弁当食べて
昼は購買のパン部活終わりでカップラーメン家に帰って夕飯

これ普通ですから

共学は男子の目を気にしておなか空いてない小食なふりしてるだけだ!気付け!



終点のあの子    柚木麻子

で、こちらは私立女子高(いわゆるお嬢様校)の女子の生態です

ぐえー女子こわいー

自由奔放で個性的なクラスメイトへの憧れは
友情になり嫉妬になり嫌悪になり
クラス全体を巻き込んでひとりを無視する「いじめ」になるんだけど
いじめてる側に共感してしまうわたし

いじめらていた彼女が数年後もやっぱりいけすかない女で
彼氏をを平凡な女の子にとられちゃうことですっきりしてるわたし

意地悪心120%引き出してくれる恐ろしい作品です

自分が高校生のときって
女子特有のネチネチした友人関係とかに悩むことが一切なかったんだけど
たぶん単純なバカだったからだろうと思う

でもねーやっぱ
女同士って楽しいよ、すごく!!
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by hammsamm | 2012-09-12 17:35 | | Comments(0)

カップルのおはなし

リトル・バイ・リトル  島本理生

主人公の女の子は高校を卒業したばかりだというのに
とても冷静で淡々としていて
その女の子そのもののような文体も
ありふれた日常を
ときたま訪れるスリリングな日常を
淡々とつづっていきます

目の前に突然自分好みのイケメン男子が現れても
冷静に事務的に(でもちゃっかり)連絡先交換したりして

でもなんだか登場人物がすべてふわふわとした非現実なものに感じた
や、もちろんこれは物語だから非実在青少年(©東京都)なのは当然だけど
10代のカップルが交わす台詞とか
あまりにもリアリティがなくて

・・・つか
わたしがおばさんだからかこれは

10代のときに
せめて20代で読みたかった



ばかもの  絲山秋子


東京で生まれ育って現在は群馬県在住だという著者

群馬弁で会話は進みます

イントネーションまで全部再現できつつも
これそんなふうに言わんよ
もうちょっと群馬弁勉強してからこい
と言いたい気持ちと
よそものながら良く頑張りましたって気持

傷のなめ合い的なダメカップルって嫌いじゃないです

こんなこと言ったら著者には失礼だろうけど
作品自体よりも
巻末たった5ページの赤染晶子さんの寄稿文(感想文)が
とっても素晴らしくて私はその感想文で泣いてしまったのでした

これまた著者には失礼だろうけど
解説もまた作品よりインパクトあって
なんだろこの田中和生って人は
文芸評論家らしいですが・・・
書いてる日本語の半分以上まったく理解できず
もちろんこれは私の知識不足ゆえの結果ですが

たとえば

そのような芸術様式が流行したあとにヨーロッパでは近代社会が訪れいているが、
近代文学のあり方に見ることができるようにそこではふたたび自己のための表現を
完結するような、ルネサンス的な調和が目指されたと言える。


う、うん・・・

最後はこれはバロック文学だと言って締めてんだけど
う、うん、バロック文学ね・・・

なんつーか・・・
評論家っていろいろ大変だなあと思いました

一番衝撃的だったのは

等身大に近い男性が、女性の作者による一人称で肯定的に描かれたのは、
日本の近代文学史上ではおろらくそれが初めてのことだった。


この等身大に近い男性ってのは
女性が理想として描く男性像ではなく
男からみて「自分に近い」と感じることのできることのようです
ようするに
全然かっこよくもない
ダメダメなんだけど愛おしい男ってのを描いた女性は
糸山さんがはじめてだって言ってるの!

その後も独自のフェミニズム論は続き
おなかいっぱいでした
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by hammsamm | 2012-09-05 16:59 | | Comments(2)

生存者

生存者ーアンデス山中の70日ー  P.P.リード

45名を乗せた飛行機が極寒のアンデス山中で消息を絶った
白い機体の飛行機は雪山で発見されることもなく
生存の可能性は絶望的と見られていたが
墜落から70日後
自力で下山した二人の若者によって16名の生存者がいることが判明し
それがクリスマスの数日前だったこと
乗客のほとんどがカトリック教徒であったことから
「アンデスの奇跡」といわれ大々的に世界中で報道された

動物はおろか草のひとつも生えてない極寒の雪山で
彼らはどうやって70日間生き延びたのか
亡くなった家族や友人たちの遺体を食べて生き延びたことがわかると
さらにセンセーショナルなニュースとして世界中にひろまった


***************************


すごい
すごいなーこれ
墜落から発見に至るまで
細かい部分までドラマチックで
こんな劇的なことなんて現実にあるわけないじゃんっつうことが次々に起きるんだよ
脚本家でもなかなか書けないぞーこれは
70話完結のドラマ
毎回盛り上がりの見どころ満載! て感じ

キャスト設定も完璧なんだよなあこれこわいよ
金持ちイケメンスポーツマンのプレイボーイが墜落直後に死んじゃって
その彼の金魚のフンみたいにくっついてた目立たなくてさえない男子が
ものすごい行動力でひっぱってくとことかさー
この人主人公ね
ヒーローです

乗客に医学生2名がいたこと
墜落で生き延びたのに数日後の雪崩で8名死亡したこと
腸が飛び出しても元気だった男がその雪崩であっけなく死んでしまったこと
彼らの母親(聖母マリア)的な存在だった唯一の女性生存者も雪崩で死んでしまうこと
年長者キャラ・でぶキャラ・癒し系キャラ・キレキャラ・ダメキャラ

すごいー
なんかもーすごいー

捜索機から気付かれやすいように
スーツケースで大きな十字架を作るの
「アンデス山中で十字架発見」てニュースラジオで聞いて泣いて喜こんだのに
その十字架は気象学者が作ったものでしたよってニュース再び聞いて愕然としたり

なんだーそれーー
十字架なんて作るかよふつう
気象学者さんよー
なんで偶然にも他にそんなもん作っちゃった人がいたんだよお


食肉シーンはそれほど衝撃的とは思わなかったけど
空腹を満たすためだったのが
次第に味の変化を求めて脳みそや肺まで食べたってのはすごいですね
肝臓や心臓は滋養のために当然食べてます
燃料不足や雪崩の影響で生肉食べたってのも
なんつーか
火事場の馬鹿力じゃないけど
火事場の生存本能ってすごいなあ・・・・って思いましたよ
食べていい遺体(パイロットや友人)と
最後の最期まで手をつけないと決めてる遺体(家族)と分類するんだけど
食べちゃいたいほど愛おしいって言うけど
実際は親しい人の方が食べたくないもんなのか・・・
でも嫌いな人の肉と好きな人の肉どっち食べるかってなったら
わたしなら好きな人の肉だな

食べないけどね
絶対に食べないけどね
たぶん食べないと思う
食べないんじゃないかな


雪山です
とってもとっても寒いです
死んだ友人の足の肉を骨からうまく切り離して自分の足に巻きつけたら
肉と肉がつっくいてあったかい防寒靴下が出来ました

って!!
火事場のおばあちゃんの知恵袋ですね

ちょっとした不思議体験あんびりーばぼーな逸話も興味深いし
カトリック教徒の彼らのほとんどが神をすぐ近くに感じたって言ってる一方で
神が選んだ生死の基準がわからずに悩む人や
結局神様なんてなんもしてくんないじゃん
助かったのは俺たちが頑張ったからじゃんね
って神への信心をなくす人もいたり

生存を信じてた家族の立ち振る舞いなんかも面白かったです
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by hammsamm | 2012-09-04 17:16 | | Comments(0)