平凡な日常の中で思うこと


by hammsamm
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変愛

変愛小説集  岸本佐知子編訳

恋愛じゃなくて変愛

木に恋する女
人形に恋する少年
年下の男の子をまる呑みする女

設定や愛の形はどれもとっぴょうしもなかったりして
歪んでいたり不気味だとしても
確かにそれは愛でした

皮膚が宇宙服に変わっていき
やがて宇宙に飛び出して行ってしまうという奇病のカップルのお話が一番好き

そんでまた火の鳥読みなおしたくなっちゃった

あれに出てくるのもみんなかなりの変愛だよね
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by hammsamm | 2012-04-26 17:15 | | Comments(0)
彼女がその名を知らない鳥たち  沼田まほかる

あーびっくりした!
ラストでどんでん返しがあるお話って
途中でなんとなく気づいちゃうんだけど
ミスリード狙ってんなあとか

全然わからなかった!!

ああもうなんということでしょう

8年も前の不倫の恋で傷を負い
それでもその恋が忘れられない女
ストーカーまがいの行為で強引に口説いてきた年の離れた男とは一緒に暮らしているものの
うざい、きもい、死ね、
憎しみとも言える感情を抑えられずに苛立ちを男にぶつけている

なぜこんな男と別れずに一緒に暮らすのか
彼を語る彼女の言葉は辛辣だ
けれど
彼に対する怒りや苛立ちや憎しみは
彼女にとっての愛情なのだとわかってくる

恋で傷つき壊れてしまった中年女と
男としての長所がまったく見出せないうだつの上がらない中年男

気が効かなくてすぐに彼女の感情を逆なでするどうしようもない男が
どんなに罵倒されても冷たくされても
ひたすら彼女につくす姿がけなげでちょっとかわいくなってくるんけど
ちょっとかわいいかもって感じが更に気持ち悪くなるような

女の方は
このどうしようもない男の更に上を行ったダメな女で

ダメ同士、ダメカップル、ダメ中年、

ちょっと目眩が・・・・・

恋愛小説のようであり、ミステリーでもあり、やっぱり恋愛小説

ラストで男が女に投げかける台詞で
誰もが嫌悪感を抱くであろうこの男が一瞬で輝く

嫌われても疎まれてもひたすら彼女を愛していた男の心が
一瞬ですべて理解できる

まったくハッピーエンドじゃない
むしろバッドエンド

なのに愛おしさのようなあたたかい感情が溢れてくる
隣にはーちゃんがいたらぎゅうぎゅう抱きしめてたのになあ



この作品の中での不倫男(2名登場)の描かれた方が
軽蔑とか憎しみのレベルじゃなくて
これはもう呪い

呪うように言葉を紡ぐ
著者にいったい何があったんだ・・・
と感じさせるような呪いが私には見えたもおもしろかった
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by hammsamm | 2012-04-24 15:43 | | Comments(0)

狂気2編

地の鳥天の魚群  奥泉光

悪い夢を見ているのか
悪い夢のような現実なのか
平凡なサラリーマンに忍び寄る狂気
深まる「絶望」

息子の中の狂気
娘の中の狂気
自分の中の狂気
なぜ、なぜ、なぜ
謎の宗教団体、謎の人物、謎の背景
なぜとなぞ
そしてふいに突き落とされるように物語は終わる

ぞわぞわと泡立つようなホラー(だと思う)

短編2編の方がすごくいい



俺俺  星野智幸

表紙のイラストとタイトルから軽快な内容想像していたら・・・
これまた
いままであたりまえに過ごしていた日常が
どんどん歪んで狂気に満ちていく
俺と他人の間の境界線
俺と他人の過去や記憶はどんどん曖昧になっていって
最後にはほぼすべて俺、俺ばかり
って読んでないとまったく意味不明でしょうが
そのまんまの意味であいつもこいつも俺なのです

俺らはみんな俺だから一緒にいても気が楽
なんでもわかりあえる
俺らだけの俺山を作って生活をしたい

そう思っていた俺らだが
俺から見た他人の俺のひどさ
それが俺だからわかってしまう苦しみ
俺なのに信用できない、俺なのに裏切ってしまう

山奥での生死をかけたサバイバルなんて
もうなんのこっちゃ

俺が俺を殺して俺を食べる

なんたる自給自足

姿を変え名前を変え職業を変え登場するたくさん俺
そして同じ数だけのその母親
親子の関係性がそれぞれ少しずつ形を変えながらもみんな一緒で
それはとてもありふれたよくありがちな親子の関係なんだけど

わずらわしいような、愛おしいような、
でもなんだかとても寂しい姿だった

その母親も俺なんだけどね・・・

自分でさえ自分を理解できないのに
他人のことなんかわかるわけないじゃんね
つうシニカルなお話なのかどうかはちょっとよくわからないけど

意外にヘビーでぐったりしちゃった
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by hammsamm | 2012-04-23 13:17 | | Comments(0)

猫と猫

もともと物欲はあまりない

欲しいなあと思っても
自分の年齢や体型を鑑みて躊躇することもよくある

そして
最近買ったもの

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ムック本なのでセットで1890円!!

これをどこに引っさげてお出かけするつもりなんだ
これはおばさんが腕から提げてても許されるんだろうか

もちろん躊躇しました

ここで大阪のおばちゃんを想像する(あくまでイメージです)
猫とか虎とかセーターにプリントされてるよね
ものすごい存在感でもっておばちゃんの腹やら胸やらに生息してるよね
目が高いんだか安いんだかわかんないガラス玉みたいのだったりするよね

そうか
いいのか
むしろおばちゃんだからこそ持つべきなのだ

どうしよう
お出かけ先が近所の西友くらいしか思い浮かばない
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by hammsamm | 2012-04-22 21:50 | Comments(2)

田村はまだか

田村はまだか

という本のタイトル見たときに
この既視感はなんだろうと思ったんだけど

大人計画のHP見てて
あ!!これか!!気づいたわけです

田村たがめ

しかも当初、田村めだか と勘違いしていたため
より
田村はまだか に近づいてしまったようです

それはさておき

今「既視」が漢字変換されなくてちょっと驚いた

それもさておき


田村はまだか  朝倉かすみ

同窓会で再会した5人の男女
狭い路地のスナックで田村の到着を待ちながら
それぞれ自分の過去に思いを馳せる

なんといっても冒頭の田村のエピソードが素敵すぎる
2ページ分まるまる転載したくらいですが・・・

いつか、絶対、みんな、死ぬんだ
ほんとうに、失くなっちゃうんだ
そしたら、ないものだってみれなくなるんだ

と泣き叫ぶクラスメイトの女子にむかって言う田村の一言

「どうせ死ぬから、今、生きているんじゃないのか」

小6ですぜ、田村、かっこよすぎ

そのあと泣きじゃくる女子の髪を掻きあげて
「泣くなよ」とつぶやいたあと
ジャージのポケットに片手を入れたまま彼女の耳元でぶっきらぼうに
「好きだよ」とささやくのだ

田村!!!!!!!おい!小6のくせになんてこった!!

ここんとこアラサーを痛々しく描く小説にちょっと食傷気味だったんだけど
34歳独身で男子校の保健室の先生をしている千夏の自己分析がすごい

まだ、満34歳だと思ってる。しかしこの「まだ」は、高校生には通じないようだった。
かれらにとって、かのじょはとっくにおばさんで、授業をおこなう教員よりも
心やすく口をきけ、からかうことができる存在であるらしい。
からかうことができるのは、と、加持千夏は思いをめぐらす。
おばさんでありながら、胸の奥に「まだ」という気があることを見透かされているからだろう。
   (本文より)

これはちょっとリアルに痛い

30じゃまだまだおばさんの自覚はない、つうかおばさんじゃない
今の30なんてぴっちぴっちだもの
これが40になってしまえばはっきりと自分がおばさんであること認められるんだけど
34てすごく中途半端で微妙
「まだ」を見透かされてる感じ、ちょっといたたまれなくて泣いてしまいそうには共感できる

前に読んだ同じ著者の本でも
「まだ」と「もう」の考察が鋭くて絶妙で悶絶してしまったんだよね

「田村はまだか」

このなんの変哲もない一言が
物語の句読点のようになっていて思わずつぶやきたくなります

田村はまだか






                                             
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by hammsamm | 2012-04-17 14:46 | | Comments(0)

爺さん小説

じじい萌え

これってあらたなジャンルなんでしょうか


三匹のおっさん  有川浩

アラ還爺たち3人が
ある事件をきっかけに秘密の自警団を結束して
町にはびこる悪をぶった斬る!
60でじじいの枠におさまってたまるか!ってんで
悪者をぶちのめしていくのは痛快で爽快で愉快
息子が早いデキ婚したためにすでに高校生の孫がいる60と
遅い子供のためにまだ高校生の娘がいる60と
この高校生同士の恋愛萌え感もたまらん感じになってます
さすが図書館戦争の著者ですわ
おばちゃんニマニマしながら読みました

ま、実際今の60歳て老人とは言えないもんねえ

うちの両親なんて喜寿迎えたってのに
じじばば扱いされると怒るからね
これはいろんなところでじじばば怒ってるけど
赤の他人に「おじいちゃん」「おばあちゃん」て呼ばれるのは本当にむかつくらしいっす、よ
しかもなぜかそうゆう人って幼児に話しかけるような口調だしね
特にうちなんて孫いないので
まだおじいさんでもおばあさんでもないってのも一理ある
いや、まだとか悠長なこといってる年齢じゃないんだけど

そういった諸々の年寄り扱いに憤ってる爺が登場するのが

オジいさん  京極夏彦

フォントがでかい
老眼にやさしい仕様になっております

めちゃくちゃ笑った
すっごいおもしろい!
宮沢章夫さんのエッセイ集を読んでるような感じ

年寄り特有の悲哀が、そのエレジーが、愛おしくっておかしくって
京極夏彦のこうゆうとこ大好き
いたって真面目で、いたって冷静で、いたって真剣な思考の着眼点がこんなに笑えるなんて

爺さん萌えポイントはあげ連ねたらきりがないほど
ほぼすべてが萌えポイントとも言えるほど

特に好きだったのは

近いうちに映らなくなるからと地デジ対応型テレビを勧めにきた電気屋とのやりとり
出演者の顔の上下に文字がごちゃごちゃ出ている画面を見ながら
これ以上画質がよくなってなんの意味があるんだ?と問いかける爺さんに
スポーツは実際見るよりいいと答える電気屋
そこでまた爺さんは考える
スポーツつっても相撲ぐらいしか見ないし
相撲取りの尻が鮮明に映ることは決して嬉しくない、と

スーパーで試食してしまったために
好きでもないソーセージを買ってしまった爺さんのお料理シーンもいい
「オジいさんが料理をしてますよ」と頭の中でつぶやき
自分が浮かれていることに気づいて
「莫迦じゃなかろうか」と反省するところ
その浮かれていた原因が普段食べないちょっと若者っぽい食材を扱っていたからだ
と自己分析するところ

無駄を数値化しようと試みて
自分の無駄が月額1250円と算定し
高いのか安いのか判らなくなってしまうところ

あと、あと、あそこやあそこや・・・


今の私は
若者と言われる世代と年寄りと言われる世代の中間地点だと思うけど
感覚的には完全に年寄りだなあ、ってことも実感
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by hammsamm | 2012-04-13 16:16 | | Comments(0)

宮本輝を読む

話したこともないクラスメイト(見知らぬおっさん)に
のらくろ貸して!ってお願いしている夢を見た

見知らぬおっさんに勇気を振り絞って声かけてまで読みたいか?のらくろ



そういや文庫になってたなあ
買おっかなあ
と思っていた本が職場の引き出しに入ってて(のらくろじゃないです)
ああ、びっくりした

買ってたんだねえ、忘れちゃうもんだよねえ、もっかい買わなくてよかったねえ

骸骨ビルの庭  宮本輝

ああ・・・・・
もう本当にダメかもしれない宮本輝

本当に本当に大好きな作家だったんだけど(ファンレターまで出した)
書いている宮本輝じゃなくて
読んでいる私の問題かもしれません

とにかく説教臭い、人生訓をやたらねじ込んでくる

それが若いころの彼の作品だったら
さりげなくてスマートだったのに

なんだろうこの押しつけがましさは

なぜ茂木老人が骸骨ビルを立ち退かないのか
最後に謎が解けると思ったのに
結局なんだったんだ・・・

自分が育てた孤児達に対する最後の説教は
ちょっと寒気がしてしまった
こわい、宗教かこれは

でもこれぞ宮本輝と思ったのは
喉にささった小骨がずっと取れないでいるような
そのもどかしさが相変わらず巧くてよかった

手塩にかけた農作物を収穫する前にその地を離れてしまうラストとかね
どうせならブルドーザーで畑めちゃくちゃにぶちこわしてしまって欲しいくらいだったけど

あと
ダッチワイフにまつわるエピソードはよかった

こうゆうので短編集にすればいいのになあ

宮本輝には短編書いて欲しい
いい作品たっくさんあるのに!
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by hammsamm | 2012-04-09 14:03 | | Comments(0)