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平凡な日常の中で思うこと


by hammsamm
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まほかる3冊

ブームらしいね、沼田まほかる

3冊読んだ

九月が永遠に続けば
猫鳴り
アミダサマ

全部に猫が出てくるの
だからと言って猫が主役じゃなくて
猫と飼い主の生活を描いてるんじゃなくて
人間が日々暮らしている生活にそっと寄り添っている

さりげないのに
猫への愛情がとても感じられる作品たち



心にひっかかる言葉もたくさんあった

哀しみがときどきひどく欲望に似ている  (九月が永遠に続けば)

のはそのどちらもが欠落と関係しているからだろうという

知ってる、あたし、この感覚知ってる
欲しくてたまらないの、欲しければ欲しいほど哀しいの、苦しいの、泣きたいの

昔書いたエントリー
http://hammsamm.exblog.jp/7591873/

その現象は本屋さんでも起こります

沼田さんのいわんとする感情とは
どうやら違うようだ、って気もするけど

わかる、わかるよ!
て思っちゃったんだからしょうがないね


「アミダサマ」はホラー小説らしいけど
まったくこわくなかった
ただただ、ものすごく悲しいの
冷たくて暗い場所に閉じ込められた悲しみにずっと浸っているの

廃棄所の冷蔵庫の中に閉じ込められて奇跡的に命をとりとめた少女ミハルが
なぜこの世の秩序を崩壊させるのか
そのへんがまったく理解できないままだったけど

生と死、命ということについて
重い鉄槌をくらわさせれたような余韻

欲望というものに無縁な無垢な幼子が
たったひとつ狂おしいほどに抱く欲望が
「愛する者を死なせたくない、ずっとそばで生きていて欲しい」てこと
それは年老いた猫であったり養母であったり

この人間らしい人間たる無垢で純粋な欲望を
僧侶の口を借りて著者は
「秩序を崩壊させる罪」だと言う

生ある者には必ず死が訪れる
その死をひきとめてはいけない
それがどんなに残酷なことか、
永遠に死ねないことがどんなに悲しいことか、

火の鳥の死生観もそうだけど
私はこの
死ねないことは死ぬことよりずっとずっと恐ろしくて悲しくて苦しい
て考えにすごく納得出来るし
「死」が悲しいのは死んでいく本人じゃなくて
残される人間の気持ちだと思っているから

わかる、わかるんだけど
わかるから余計に悲しくって
なんかもう読まなきゃよかったと思ってしまったくらい

あるときから私気づいちゃったの
これからの私の人生で
新しく生まれてくる命や新しい生き物と出会う数よりも
親しい人たちや生き物の死を看取ることの方が圧倒的に多いんじゃないかって
そう考えたらオロオロしちゃって

ああ、やばい話がだいぶ暗い
気づいてなかった人にも気づかせちゃったらごめん

もうこんな話はどんどん気持ちも内側に向かうから
うんこの話でもしようと思うけど
うんこの話もそれはそれで悲しいのでどうしたらいいのかわからない

とりあえず
珈琲入れてチョコ食べることにする

つうか、仕事中なんだから仕事しろって話でもある
by hammsamm | 2011-12-22 14:58 |