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平凡な日常の中で思うこと


by hammsamm
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戊辰戦役朧夜話

5月はどうゆうわけか読書がまったくできなくて
いや、読む時間がなかったわけじゃなく

文字を負うのがおっくうになってしまったのでした

そんな状態であっちに手つけこっちに手つけ
どれも途中で放り出すというありさまで
大好きな船戸与一読み始めたものの
板垣退助って何したひとなわけ
ってレベルの歴史音痴の私に戊辰戦争のお話は難易度が高すぎやしないかと・・・
さすがは船戸与一、どんどん引き込まれて長編を読み終えることができました

先月はこれしか読んでないのだ

「新・雨月」   船戸与一

いやーすみません
こんな大規模な戦争が日本国内で、しかも結構最近(って感じる)あったなんて!!
戊辰戦争って名前は知ってましたけど
白虎隊の悲劇とか漠然と
若くてかわいらしい男の子らがたくさん死んだ残念な出来事でしょってくらい漠然と
日本がまっぷたつに割れてしまうかもしれないくらいの大規模な戦いだったのですね

しかし勝敗がわかっているだけに
会津藩のあがきっぷりが読んでてつらかった

もういいからにげてーーーーー

と言いたくてうずうず

武士道とか愛国(藩)心とかにイライライライライライラ・・・・・

日本人の美徳精神を「武士」や「侍」に例えるのって
ほっっんとばっかじゃないの!!と思ってしまった

それは勝者側の板垣退助が戊辰戦争後に語った内容でもわかる

会津藩の敗因として
平民たちに命を投げ打ってでも藩を守るという思いがなかったからだとしている
士族も平民も一丸となって戦っていたら我々は苦戦していたと
士族が平民の暮らしを顧みずに自分たちばかりいい思いをしていたので
身分の違いで心が離れたと分析してその後民権運動進めてくのは理解できるとして
いや、理解できるからこそ

人民の権利のために尽力した立派な指導者であっても
お国のために命を捨てるのが美しいと思っていたってことです
意地悪な言い方すれば
命捨てるのも惜しくないって思われるような国になって
いざとなったら命捨ててもらうかんな、ひひひ

ってことじゃんね

そうゆう武士道だのなんとか魂だのが美徳だと言ってた人達が
その後指導者になって
無謀な戦争で神風特攻隊とかを生み出したわけか

と話しは逸れましたが
船戸与一の作品は無慈悲な現実を淡々と綴る中に
権力や面子や思想や利益のために争う人らの下で
あっけなく命を落としていく平民が悲しくていい

どっちが勝ってもいい
ただ命や財産が奪われることのない平穏な生活ができればいい

という名もなき女の言葉がしみる
by hammsamm | 2012-06-06 16:59 |