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平凡な日常の中で思うこと


by hammsamm
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この空の花

あまり映画を観ない私が
なんでひとりで映画館まで足を運んだのか
今となっては不思議に思う

大林宣彦監督 「 この空の花 」

昔の恋人から届いた手紙をきっかけに
天草で新聞記者をしている松雪さんが長岡へ旅立つところから始まるんだけど

長岡の歴史が語られるくだりで
あ!ってびっくりした
つい何週間か前まではまっったく知らなかった河合継之助が出てきたよ!
そうでした、戊辰戦争の本を読み終えたばかりだったじゃないの
長岡藩の河合継之助は幕末から明治にかけての戦いで
その争いの理不尽さを説き唯一中立を貫こうとした偉いお方なのです

それにしても長岡の歴史が壮絶すぎて絶句

戊辰戦争で城を焼かれ戦火にのまれ
第2次世界大戦では空襲で町を焼き払われ
中越地震で家々がのみこまれた

そのたびに立ち上がり復興してきた長岡市

そして長岡の花火は死者を弔うことからはじまったのだという



しかしまあ・・・
よくもこんなに詰め込んだな!!ってくらい
見どころは?ストーリーは?メッセージは?
どれもこれもひとことじゃ言えない

戊辰戦争から始まって、世界大戦、中越地震、そして3.11の震災、原発事故
長岡、南相馬、長崎、広島、天草、
過去・現在・未来
時空も場所も飛び越えてすべてひとつに繋がっている異空間

まさに時をかける少女なのです

実際に起こった長岡の出来事・実在する人物
ドキュメンタリー風であるにもかかわらずファンタジー
現実と虚構が矛盾なく存在していた

過去と未来
生者と死者
光と闇
戦争と平和

同じ空間で存在しえないものたちが
なにもかもが同時にそこにあるカオス

光と闇
これって花火なんだよねえ、ああ納得


一輪車の謎や
ロン毛高嶋兄のインパクトや
山下清役をたまのランニングにやらせた反則や
突拍子もない印象的な台詞
独特のカメラワークとキャプションとかとか

おもしろいってより
すごかった





震災後の花火大会は中越地方を襲った大雨による水害で
開催が危ぶまれたんだそうです
長岡花火は観光目的でなく復興と慰霊のためのものだからと
必死に泥水をかきだして開催地の整備して決行したんだって
もう、その話だけでドラマ
by hammsamm | 2012-06-11 16:19